労務管理

年末調整のしかた|保険料控除申告書の書き方も分かります!

投稿日:2017-08-17 更新日:

1.給与等と社会保険料、源泉所得税の集計

源泉徴収簿や賃金台帳から一年間の給与と賞与の総額と社会保険料、源泉所得税をを集計します。

支払い期限の到来した未払いの給与と賞与も集計に入れ、前年の未払い給与・賞与があれば集計から除きます。

現物給与に該当するものがあればその金額も集計に含めます。

年の途中で就職した方で、前職分の源泉徴収票があれば、給与・賞与総額と社会保険料、源泉所得税を加算します。

また、含めた金額等(会社名・住所・支給額など)は年末調整後に渡す源泉徴収票の摘要欄に記載します。前職分の源泉徴収票は会社(事業所)で保管します。

ここまでで一年間の給与・賞与の総額と会社(事業者)天引きの社会保険料と源泉所得税の総額がわかりました。

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2.各控除金額の算定

以前まとめたとおり、各控除額の算定を行います。

扶養控除等(異動)申告書


扶養控除(異動)申告書に記入された、扶養親族の名前と生年月日、所得の金額に間違いがないか確認をします。
チェックポイントや間違いやすい点については以前の記事を参照してください。

配偶者がいる方で所得が38万円以下(給与収入だけの場合103万円以下)の場合はA欄(ピンク色)に記入をお願いします。

その年の12月31日の時点で16歳以上の扶養親族がいる場合はB欄(クリーム色)に記入をお願いします。

扶養親族が12月31日の時点で70歳以上で同居している場合は同居老親のところに○をしてください。

扶養親族が12月31日の時点で19歳以上23歳未満の場合は特定扶養親族の欄に○をしてください。

本人や扶養親族に障害があったり、寡婦(寡夫)に該当する場合はC欄(黄緑色)に記入してください。
障害の等級等、死別の年月日等については摘要欄に記入をお願いします。

夫婦共働きの世帯で、扶養親族を一方のA欄に入れている場合は、他方は扶養親族をD欄(水色)に記入します。

扶養親族が12月31日の時点で16歳未満の場合はE欄(紫色)に記入してください。

扶養親族が国外居住者の場合は親族関係書類と送金関係書類を添付または提示したものを確認してください(外国語で作成された書類には翻訳文も)。

保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書


保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書に記入された金額等、配偶者の所得計算に大きな間違いがないか確認をします。

生命保険料控除については、一般生命と介護医療、個人年金で記入欄が違います。また、一般生命と個人年金では旧制度の契約と新制度の契約があります。

一般の生命保険料は上段(ピンク色)に新旧の区分も含めた詳細を記入してください。新契約と旧契約でそれぞれ集計したもので計算し、控除額を求めてください。

介護保険料は中段(クリーム色)に記入します。新契約のみですので、控除対象額を集計して控除額を求めてください。

個人年金保険料は下段(黄緑色)に記入し、計算方法は一般の生命保険と同じように計算して控除額を求めてください。

地震保険料控除(水色)は地震保険と旧長期損害保険がありますので、それぞれを集計して計算式のとおりに控除額を求めてください。

間違いやすい点としては控除対象額に年間支払金額を記入していることがあります。また、それぞれの控除額の上限にも注意してください。

配偶者の所得が38万円以上(給与収入の場合103万円超)で配偶者特別控除を受ける場合は、右側上段(灰色)の欄に収入ごとの金額を記入して所得を求め、計算式のとおりに控除額を求めてください。

社会保険料控除(紫色)は中途入社の方は国民健康保険や国民年金の支払額に漏れが確認してください。
国民年金は控除証明書の添付が必要です。

国民健康保険は従業員さん自身で集計し、申告書に記載します。役所によっては納付額を集計したハガキを従業員さんの自宅宛に送付してくれている場合もあります。

小規模企業共済等掛金控除(オレンジ色)は控除証明書が発行されますので、控除対象額が記載されている金額をチェックします。
個人型確定拠出年金はこちらに記載してください。

住宅借入金等特別控除を受ける場合には申告書等の必要書類が揃っているか確認してください。建物の所有者が複数人の場合は持分割合で借入金額等を按分しますので、控除額が過大になっていないか確認してください。

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3.給与所得の計算

各控除額が確定しましたら、給与所得を求めます。
給与所得控除額は給与収入に応じて増加しますので、その控除額を給与収入から差引き、さらに各控除額を差引いた残りが給与所得となります。

給与所得控除(平成29年分)
給与等の収入金額の合計 給与所得控除額
1,800,000円以下 収入金額×40%
650,000円に満たない場合は650,000円
1,800,000円超~3,600,000円以下 収入金額×30%+180,000円
3,600,000円超~6,600,000円以下 収入金額×20%+540,000円
6,600,000円超~10,000,000円以下 収入金額×10%+1,200,000円
10,000,000円超 一律2,200,000円

4.年調年税額の計算

給与所得からそれに応じた算出所得税額を求めます。

所得税率表(平成27年分以降)
課税される所得金額 税率 算出税額から控除する額
195万円以下 5% 0円
195万円超~330万円以下 10% 97,500円
330万円超~695万円以下 20% 427,000円
695万円超~900万円以下 23% 636,000円
900万円超~1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円超~4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

住宅借入金等特別控除額あれば算出所得税額から差し引きます。

住宅借入金等特別控除額を差し引いて残った金額が年調所得税額です(住宅借入金等特別控除額がない場合は算出所得税額が年調所得税額です。)。

年調所得税額に2.1%をかけて復興特別所得税額を求めます。

年調所得税額と復興特別所得税額との合計額が年調年税額となります。

一年間に徴収した源泉所得税額との差額で、徴収した税額が多ければ差額を還付金とし、不足している場合は徴収します。

住宅借入金等特別控除額を算出所得税額から引ききれなかった場合には、翌年の住民税から差し引かれます。

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